私は月売上約200万円のECサイトを実質1名でマーケティング部分を運営しています。
データ分析・マーケティング・リスティング広告・商品開発・ブログ執筆・メルマガ配信・お客様からの問合せ対応 等・・
自身も別業務と兼任なので2名合わせて1名換算で、リソースも資金も限られている状態です。
今回は私がこの状態で5年間ECサイトを運営していて、実体験で学んだことを『中小企業がECサイトを運営するコツ』としてお伝えします。
ネット上にあるマーケティング情報はツールの紹介のためのブログや、大企業の資金力とリソースだからこその成功体験が多いように感じます。
常にリソース不足の中小企業のEC担当者の毎日はもっと混沌としていて実業務と並行して色々やらないといけません。
少しでもECサイト運営で悩んでいるあなたの参考になれば幸いです。
中小企業のECサイト運営で大切な4つのポイント
ECサイトの運営目的は何ですか?会社とすり合わせる
ECサイトの運営をしているとやりたいことがたくさん出てきますよね。
私もそうです。
「これもやりたい!」「あれもやりたい!」「これしたらお客様が喜んでくれるのでは?」とやりたいことが多すぎて途方にくれます。
でもそこで気づきました、全部やるのはムリだと。
リソースが限られた中でECサイトを運営するポイントは、『やらないことを決める』です。
では、どの基準でやらないことを決めるか。
考え方は簡単で、サイトの運営目的を基準にします。
あなたのECサイトは何を目的に運営していますか?
- 売上を上げるため
- (実店舗があるので)お店へ送客するため
- 問合せ数を増やすため
ECサイトであれば売上を上げることを目的にしたサイトが多いと思いますが、実店舗がある場合はECサイトをショールームとして使用する場合もあると思います。
ECサイト運営の目的は企業の組織形態によって変わってくるので、改めて整理することが大切です。
もし上層部の目的意識が漠然としている場合は、自身が会社を見て提案するのも良いでしょう。
やらないことを決める
目的が決まればあとはその目的から遠い部分や関係ない部分は潔く放置します。
例えば、売上が目的のECサイトでPV数が少ないブログページや売上が少ない商品ページがあったとします。たまたまページを見たら、読みづらく写真も古く感じました。
ECサイトの運営者としては、すぐにでも直したい所ですが、そこは心を鬼にして放置します。
すぐに出来る内容でも時間を割くとチリツモでやり出すと止まらなくなり、あっという間に時間が過ぎます。(←実体験です・・)
サイトの目的を売上にした場合、改善しても売上に貢献しないページは潔く諦めましょう。
ラクすることを意識する
ECサイトの運営はめちゃくちゃやることがありますよね。
商品開発・デザイン確認・ブログの原稿作成・月次の報告資料の作成 等・・
自分が頑張れば!と思い根性論でやってしまうこともあると思いますが、これは長い目で見たときにお客様に対して考える時間が減るので良くありません。
そもそもなぜECサイトを運営するかというと、ラクをするためです。
営業担当が直接お客様に出向かずに24時間商品が勝手に売れるためにECサイトを運営しています。
ややこしい運用を選択しようとした時、根性で解決しようとした時は、立ち止まりましょう。
お金をかけて専門業者に依頼をしたり、他部署にヘルプを出したりとラクします。
そしてその空いた時間でお客様のことを考えます。
私たちEC担当者が一番しないといけないのは、お客様のことを考える時間を作ることです。
顧客は思っているより自分たちのECサイトに興味がない
これは残念ながら、事実です。
情報提供サイトや高額商品のECサイトは別ですが、セッション数や滞在時間を見ると思ったより短いと感じませんか?
これは肝に銘じておくべきことですが、顧客は思っているより自分たちのサイトに興味がなく、顧客が叶えたいのは自分のニーズであり、私たちのECサイトにはあまり興味がないということです。
この視点を忘れると、ついつい自分たちの思いだけが先行したECサイトになり、いくら時間をかけても売上が上がらないECサイトになってしまいます。
私は担当しているECサイトを我が子のように思っていましたが、途中から親戚の子ぐらいの感覚で見た方が良いなと気づきました。
思い入れが強くなりすぎるからです。
程よい距離間で自社のECサイトを運営・分析しましょう。
中小企業のECサイト運営で力を入れること・分析する数字・必要ツール
ECサイト運営で力をいれるべきは『商品開発』
商品が良ければECサイトがちょっと使いづらいだろうが、デザインが古かろうが顧客は買ってくれます。
商品開発に一番力を入れるべきです。
既存客が何を買っているか、なぜ買ってくれるのか、世間の流行りと自社商品をうまく組み合わせられないかを考え続けましょう。
- どんな目的で買ってくれているのか?ついで買いできる商品はないか?
- 競合サイトで販売している商品が自社にあるか?ない場合は追加できないか
- ランチェスターの法則を意識する(大企業と同じやり方をしても勝てない、穴をみつけることを常に意識)
ECサイトで分析する数字は5つ
■セッション数
■PV数
ECサイトを作っても誰にも知られなければ売上は上がりません。サイトへの流入数をチェックしましょう。
■新規ユーザー数
新規ユーザーは一定数以上必要です。
今購入頂いている顧客の単価アップで売上を上げていくのは至難の業だからです。新規のお客様が訪問しているか・購入しているかをチェックしましょう。
■顧客のリピート率
商品力が良ければリピート率は自然に安定しますが、低すぎる場合は商品力以外にもボトルネックになっている場合があります。
- 商品によってリピート率に差がないか?
- ページ表示速度は遅すぎないか?
- ユーザーがリピート注文しやすいページデザインになっているか?
を確認してみましょう。
■CV(コンバージョン)数
購入件数は前年と比較して確認します。
件数が増えていなければCV率が下がっていないか、流入数が減っていないかと深堀して対策を打ちます。
ECサイトの運営で取り入れる分析ツールは3つ
分析ツールは顧客の状態が詳しく知れるのでとても便利なツールです。
しかし分析ツールを使って考えて行動に移すのはEC担当者ですよね。リソースが限られている中小企業のECサイト運営は、あれもこれもと手を出すと時間が取れないので厳選しましょう。
また分析ツールはランニングコストもかかるので、その分をペイ出来るのかも考えて判断しましょう。
■Googleアナリティクス(無料)
■サーチコンソール(無料)
これは使用している人が多いと思いますが、念のため。
Googleアナリティクスを使う際は、『ユーザーがどこ経由でECサイトに訪問して、どのページを閲覧して、CVしているか』の流れを見ましょう。
Googleアナリティクスを見る時の注意は、漠然とみないということです。
豊富な情報量なので、見ているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
『予想したことを確かめに行くツール』と位置付けて、行動したことの結果を確認するためにGoogleアナリティクスは使用し、むやみやたら見ないようにしましょう。
■ヒートマップ(有料 ※一部無料プランもあり)
ヒートマップはユーザーがサイトのどこを見ているかを分かりやすくサーモグラフィーを利用して直感的に理解できるツールです。
ユーザーがどこをクリックしているのか、ページのどの部分がよく読まれているのかが分かるので、ECサイト改修の判断が早くなります。
ヒートマップは各社様々ありますが、1ドメインであれば無料で使用できるツールも多いのでまずは無料の範囲で使用し、使いこなせそうなら有料プランで契約するのが良いと思います。
実際に私が担当しているECサイトにも取り入れた所、ページのどこを良く見られているかが分かり、バナーの位置を調整したり、ECサイトリニューアルの参考に出来たりと、便利でした。
何よりも悩む時間が減って根拠をもってECサイト作りが出来るのが、心理的にラクで導入して良かったと思います。
おわりに
今回は中小企業がECサイトを運営するコツをご紹介しました。
自社を中小企業というのは少し抵抗がある方もいらっしゃると思ったのですが、ブランディング力とリソースが全く違う大企業と同じ手法で運営しても到底太刀打ちできません。
スポーツでも身体が大きい人はそれを活かし、小柄な人はそれを活かしたプレーをしますよね。
企業の規模感やリソースも同じでそれに合わせた商品開発やECサイト運営をするのが大切だと実感しています。
分析で見るべき数字は5つ、ツールは3つで良い。
今回のブログがあなたの担当しているECサイトが、より多くのお客様に喜んで頂けるサイト作りの参考になれば幸いです。
ケイアートファクトリーでは、ECサイトの運用サポート、制作、ブログ代行、ランディングページの制作を承っております。
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