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私は自社のECサイト(通販サイトk-net)を4年間担当して、商品説明文こそ売上アップに貢献でき、また長く効果が持続するコツだと思っています。
今回紹介する商品説明文の書き方は、デザインの知識やコーディングの知識が無くてOK!
運用担当者がすぐに出来る内容なので、まだ取り入れていない方はぜひ参考にして頂ければ幸いです。
ECサイトで売上を上げたい時に、まず手を付けるべきページ
みなさんはECサイトの売上を上げたい時にどのページから手を付けますか?
トップページ、特集ページ、初めての方ページ等、ECサイトのページは複数ありますが、まず手を付けるべきなのは商品ページです。
理由は、一番工数が少なく、すぐに出来るからです。
例えば、ECサイトを洋服屋さんに例えて考えてみると、商品ページに訪問しているのに買わない人というのは、洋服を手に取っているのに買わないということです。
みなさんも経験あると思いますが、手に取っても買わない理由は大きく2つあると思います。
・商品が思っていたものと違った
・欲しい情報が分からなくて、店員さんを探すのも面倒だった
商品自体が求めているものと違った場合は、商品開発に力を入れる必要がありますが、欲しい情報が分からなくて買わないお客様には情報を分かりやすく伝えれば買っていただける可能性が高くなります。
商品ページのテコ入れは、「欲しい情報が分からなくて買わなかったお客様」という、あと一歩のお客様を購入に導くので一番工数が少なく、売上につながります。
ズバリ!商品説明文はベネフィットを意識して書くに尽きる
ECサイトの売上アップに商品ページが重要というのが分かったうえで、商品説明文の書き方をご紹介します。
書き方のコツは「ベネフィット」を意識して書くのみです。
そもそもベネフィットとは?機能・メリットと比較して理解する
マーケティングの勉強をしているとよく耳にするベネフィット。
今回は似ている言葉と比較して整理します。
表の下には例として、セラミド配合の化粧水の場合として記載しています。
機能は商品の機能・成分、メリットは商品やサービスの特徴・良い点、ベネフィットはその商品やサービスを使ってお客様が受けられる恩恵になります。
「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく『穴』である」
引用:アメリカの学者レビットの著書『マーケティング発想法』(1968年)
よく聞くこのたとえ話のように、お客様はドリルが欲しいでのはなく、穴が欲しい。
もっというと、穴をあけることによって机などを作って、それを使い毎日を快適に過ごしたいのでドリルを買いに来ています。
商品やサービスはあくまでお客様が困っていることを解消する手段であり目的ではないということです。
さらにベネフィットは、アメリカの経営学者であるデイヴィッド・アーカー氏によると、3つの種類があると言われています。
アーカー氏によると、
「機能的なベネフィットではなく、情緒的なベネフィット・自己表現ベネフィットに目を向けよ」
と言われています。
人間は感情でモノを買い、論理で正当化すると言われているので、感情が動きやすい情緒的や自己表現にフォーカスするのは納得ですね。
商品ページのチェックリスト!あなたの商品ページは大丈夫?
ECサイトを運営されている担当者の方は、以下3つの項目で自社の商品ページをチェックしてみましょう。
・顧客に伝わりやすい言葉遣い、言い回しですか?
・「ベネフィット」でなく「メリット」になっていませんか?
・商品説明ページは、パソコンやスマートフォンで読みやすいですか?
顧客に伝わりやすい言葉遣い、言い回しですか?
自社商品やサービスのお客様がどのような方かを見つめ、その人に響く言葉になっているかをチェックしましょう。
同じ機能・メリットでもお客様によってベネフィットは変わります。
例えば、オールインワン化粧水をママさん向けに販売する場合と女子高校生向けに販売する場合ではベネフィットは変わってきます。
「ベネフィット」でなく「メリット」になっていませんか?
商品説明文が商品の特徴を並べるだけになっていませんか。
チェックをする際は説明文の主語が誰になっているかを考えると見えてきます。
ベネフィットはお客様が主語になり、動詞で終わることが多いです。
商品説明ページは、パソコンやスマートフォンで読みやすいですか?
顧客は毎日パソコンやスマートフォンで多くの情報に触れているので、読みづらいというのはかなりストレスです。
長い文章がずらっと並んでいないか、文字が小さすぎないか、見出しが付けられているか等、自社の商品ページが読みやすいかをチェックしましょう。
特にスマートフォンでの確認は大切です。
お客様がスマートフォンで見る割合が多い場合は、必ず自分のスマートフォンで確認するようにしましょう。他のサイトを見ている流れで自社のサイトを見ることで発見が多くあると思います。
いざ実践!ベネフィットは3ステップを意識して書こう
ベネフィットの大切さがわかったうえで、実際にベネフィットを意識して書くコツを3ステップでご紹介します。
ステップ1)お客様をしっかり設定する
ベネフィットはお客様の生活をどうプラスに変えるかを、分かりやすく説明しお客様にイメージしてもらう文章です。
そのためお客様がどのような人かによって響く言葉が変わってきます。
誰に向けた商品説明文かを整理することで、そもそもお客様の知識レベルが高い場合は、ベネフィットに変換しなくても機能とメリットを分かりやすく伝えれば良いという落とし穴もあります。
ベネフィットに変換した文章は、知識量が少ないお客様や潜在的なお客様には商品購入後のイメージがしやすくなりますが、逆に知識量が多いお客様には少し遠回りに感じるということです。
例えばネジを専門で扱っているメーカーの場合、主に購入されるのは工場等の知識量が多いお客様が多いと思います。
知識量が多いお客様向けにこのネジを使うことによる情緒的なベネフィットを伝えるよりは、端的に機能とメリットを伝えて納期を分かりやすく伝えた方が良いですよね。
最初にすべきなのは、自社で扱っている商品が誰向けなのかを整理し、そもそもベネフィットで書くべきかを考えましょう。
ステップ2)機能からベネフィットに変換する
変換は以下ステップで考えてみましょう。
例を記載します。
・不動産が家の紹介をする時
駅近3分→すぐに帰れる!→急な雨も安心!濡れずに帰れる。朝ゆっくり起きられる。夜遅くなっても安心。
・電気メーカーがトースター機能付き電子レンジを紹介する時
電子レンジにトースター機能付き→レンジとトースターを2つ買わなくてもこれ1台!→キッチンが広々と使え、料理しやすい!掃除も1台だけで良いので掃除時間短縮
・化粧品メーカーが化粧品を説明する時
オールインワン化粧水 → 1つで化粧水・美容液・乳液が入っている → 毎日のお手入れ時間が短縮!朝の忙しい時間を効率的に使える、子供と遊ぶ時間が増える
セラミド配合の化粧水 → 低刺激で潤う → 肌荒れがへるので、毎日の化粧やお出かけが楽しくなる、自分に自信が持てる!
ステップ3)言葉遣いや説明画像に手を抜かない
商品説明文はお客様に合わせた言葉選びが大切です。
学生さん向けのサービスは学生さんに伝わりやすく、ママさんにはママさんに伝わりやすく。
商品説明文を公開する前に今一度お客様が自然に受け取れる言葉遣いか確認しましょう。
また、お客様は文章を流し読みされることが多いので説明画像も文章に合わせることが大切です。
画像もフリー素材をそのまま使うとECサイトの雰囲気に合わないことが多いので、色味を加工して使いましょう。
スマートフォンのアプリ等で簡単に画像の色味は変更できるので、このひと手間を惜しまないことでページの統一感が生まれます。
実例!「当日発送」の言い換えで新規ユーザーのCV率が126%アップ
実際にベネフィットで商品説明文を変更したところ、弊社の通販サイトでは新規ユーザーのCV率が5%→6.32%にアップしました。
(2020年2月~10月までを昨年と同期間で比較。単式伝票ページ)
参考に実例をご紹介します。
私たちは美容室やネイルサロンなどの美容業界のお客様向けに通販サイトを運営しており、商品の1つに単式伝票があります。
この単式伝票はノウハウを元に作ったシンプルで使いやすいデザインで、価格も他社に比べて負けておらず、もっと多くのお客様に利用して欲しいと思っていました。
商品は15時までに注文いただくと当日発送しているのですが、以前はその特徴をそのまま書いていましたが、ベネフィットを意識して書く3ステップに当てはめて変更して掲載しました。
15時までの注文で当日発送 → すぐに届く! → 在庫が少なくなってから頼めば良いので在庫管理がラク!お店のストックスペースも最小で済みます。
お客様である美容室では在庫管理する商材がたくさんあります。
カラー剤やシャンプー剤等、数多く管理しないといけない商材の中で少なくなってから頼めばすぐ届くというのは発注担当者がうっかり発注を忘れてもすぐ届くので安心感があります。
また美容室で伝票を保管している受付棚やバックヤードはスペースが限られていることが多いので、保管場所が小さくて済むことは伝票用に置き場所を作らなくて良いので担当者の手間を減らすことができます。
伝票というよくある商品も一歩お客様に寄り添って説明することでイメージして頂きやすく、他社との差別化になります。
もしあなたのECサイトが商品のお届け時間が強みの場合、顧客目線での説明文に変更してみてはいかがでしょうか。
ケイアートファクトリーでは、ECサイトの制作、ブログ代行、ランディングページの制作を承っております。
ご興味のある方はお気軽に問合せフォームよりご連絡くださいm(__)m
女性向けデザインに強い企画プロデュース会社