-----運命の出会いなんて、ないと思ってた。
みなさんこんにちは。
私は名古屋支社のデザイナー。みんなからは「まいぴー(@maip_kart)」って呼ばれています。
自分で言うのもなんだけど、明るく元気が取り柄です!少年漫画が大好きで、恋愛メインの少女漫画は苦手!!!運命とか、イケメンとか、都合いい展開あるわけない!美人ならともかく「ごく普通の女の子」にそんな出会いがあるなんて信じられない!そう思っていました。
あの時までは・・・
はじまり
事の始まりは1年前の2015年10月、私は会社のみなさんと「三河湾100キロ歩け歩け大会」に参加しました。
結果は70キロでリタイア…
「完歩します」という約束を守れなかった悔しさから、リベンジを誓いました。本当はきついし苦しいし2度と出たくなかったけれど、約束は守りたかったから。
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1年後の2016年10月、私はまた、あのスタート地点にいました。今回はなんと前代未聞の1人参加(笑)!!リベンジが1人の孤独な闘いなんて… やっぱり私には少年漫画がお似合いでしょう?
1人と時間
いよいよスタート!
100キロウォークには、各チェックポイントで制限時間が設定されています。そのチェックポイントを制限時間内に通過しないと、リタイアとなってしまうんです。去年の私は80キロのチェックポイントに間に合わずリタイアでした。
とにかく時間切れが怖い!!
スタートから緩めることなく、息切れするほど早足で歩きます。1人なので誰のことも気にせずガンガン抜かしていけます。
前回は夜見た景色が、今回は昼!!そのペースの良さに自分でも驚きました!
1人と痛み
時間には余裕が出来ましたが、40キロを超えたあたりから足の痛みがひどくなります。ゆっくり歩いても痛い。立ち止まって休憩しても歩けば痛い。もうめっちゃ痛くて、今すぐリタイヤしたい気持ちになります。残りあと60キロ、時間にして12時間以上(どんな拷問だよ!!!)
そこで、一つの答えを見つけました。
ゆっくり歩いても痛い!!止まっても痛い!!
どうせ同じ痛いなら、速く歩いて、早くゴールして、総「めっちゃ痛い」時間を短縮した方がいい!!不思議なもので、ゆっくり歩くよりも、速く歩いた方が痛みがマシになりました。
夜には、応援に来てくれたサポーターの方と歩きました!人がいると超元気です!!
1人と独り
75キロを超えたころ、辺りは暗く、前と後ろの人との距離が見えないくらい広がります。本当に一人ぼっちで歩いているような錯覚に陥るほどです。足にひどい痛みが襲ってきますが、一人では、気を紛らわすことも、気分を上げることもできず、ネガティヴな発想にどんどん沈んで行きます。
足を止めてしまいたい!!
ここまでずっと一人で戦ってきた私の心が、とうとう折れてしまいそうになった時、隣から声がかかりました。
「しんどいですね。」
急に話しかけられたことにはびっくりしたものの、優しい声に不思議と安心感がありました。隣を見るとそこには細身の爽やかな男性が立っていました。年齢は28歳くらいでしょうか?
今まで歩いてきて話しかけてきた人なんて一人もいませんでしたが、孤独に押し潰されそうになっていた私は、嬉しくなって話をしました。初対面にもかかわらず、彼との会話は途切れることなく続きました。誰かに似ているような、まるで前から知っているような気がしたんです。
人と話すことが、こんなにも私を元気づけるて、驚きました。眠気は飛んで行って、ネガティヴな思考も止まります。また、話に集中することで足の痛みが薄れ、お互いに歩調を合わせるのでペースも落ちません。
「よし!頑張るぞ!」と、思えるようになりました!
そのまま、80キロのチェックポイントまで一緒に歩き、私は休憩せず、彼は休憩するために別れました。
1人と2人
また1人になると眠気と痛みに襲われます。ああ、あの人はまた現れてくれないだろうか… 私はそんな期待を、どこかで始めていました。100キロを歩く時、みんな限界を超えた状態です。それぞれ自分のペースで歩くので、一度別れた相手とまた出会える確率はとても低い・・・
しかし、85キロ手前‥
たくさんの人を追い抜いて、彼は追いつたんです!!そして私だけは追い抜くことなく、一緒に歩き始めました。まるで「会いたい」と思った私に会いに来てくれたように。また私の暗くなった心に、灯りが点りました。しかし、別れの時はまたやってきます。
トイレです。(何時間も歩いて、水分補給を続ける私たちにとって、トイレは欠かせません!)
どちらかを待つようなことはしません。だって私たちは、一緒に歩く約束などしていないんですから。そこから私はまた一人になりました。もうあの人に会えないことはわかっていました。
おそらくあの人は私の前にいて、私は、足の痛みからペースが落ちていたからです。差は広がっているでしょう。でも、辛くなるとやっぱり思ってしまうんです。
「あの人に会いたい。」
1人と出会い
もともと、一人で始めた挑戦です。出会いとか、奇跡とか、そんなもの期待する方がおかしいでしょ?
でも、
3度目の奇跡が起こったんです!!
97キロのところでした。ずっと前にいると思っていたあの人は、実は私の後ろにいたんです。そして私に追いつき、2人は再会しました。「ああ、これは運命なんだ。」そう思わずにはいられませんでした。
あと3キロ
今すぐにでも止まってしましたい痛みは感じながらも、97キロ歩いていた2人にとってそれはとても楽しい道のりに思えました。澄んだ空気の中、朝日を浴びて、二人で海沿いの綺麗な景色を見ながら歩きました。
ゴールは目の前。私はケイアート歴代3位となる「22時間以内」という記録にギリギリ手が届きそうなタイムです。
その話をすると、あの人は言いました。
「じゃあ、もしギリギリなったら走りましょう。」
驚きました。
99キロを歩いて、体力は限界、足の皮はむけて血まみれ、そんな状態でたまたま出会った私のために、一緒に走ってくれると言ったのです。一緒に歩く約束も、一緒にゴールする約束もしていないのに‥
ああ、やっぱりこの人は運命の人だ。
2人とゴール
結局、順調なペースで歩いた私たちは、走ることなく無事にゴール!!
1年前のリベンジを果たしました!すがすがしい気持ちに加えて、運命の出会いをしてしまったドキドキで、私はロマンチックになっていました。運命的な出会いをした、優しくて、かっこよくて、頼りになる男性。名前も連絡先も知らないけれど、きっとこのままでいいんだ。
本当に運命の人だったら、また出会えるはずだもん!
そう思ってしまったのです。こうして私の運命の出会いは、思い出として幕を閉じました。思い出として終わらせてしまったことは、正直後悔しています。でも、いつかまた出会えることを、ただ信じるしかできません。これは、とても素敵な思い出です。
追記
こんにちは、「まいぴー(@maip_kart)」の上司の江尻です。今回この記事を提出された時、私はこの不器用な部下の将来が心配になりました。ここまで想っておきながら、名前も聞けなかったなんて・・!
そこで本人には内緒で、お願いです。私は「この運命の人」を探しています。もし、お知り合いの方や、ご本人様が見られたら、ぜひご連絡ください。よろしくお願いいたします。
★100キロウォークってどんな感じ?
気になる方はこちらのブログをご覧ください!
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