こんにちは、名古屋支社の井戸本です。
もうすぐ4月になり、新入社員が入社する季節となります。
K−artでも新入社員の入社にあたり、様々な研修を行っています。
僕も役職柄、新入社員の研修を担当させていただくことも多いのですが、毎年どんなことをすれば、伝えたい事、大切なことを伝えられるのかすごく時間を使って考えています。
講習という形だけではなく、体験を通じて、仕事の大切さ、社会人の心構えを伝えたいと思っています。
今回は、昨年やそれ以前に行った新人研修のネタをご紹介したいと思います。
マナー講習などの、真面目な講習は僕には回ってきません。
どちらかというと、
チームで働く意味とは?
仕事とは?
社会人としての心構えとは?
などがテーマです。
本読み研修 賢者の書
この本は、一人の少年が賢者になるために、様々な賢者と会い、その賢者から様々な事を学んでいくストーリーです。
賢者たちが教えてくれることは、人として、社会人としてとても大切な事ばかりです。
自己啓発の分野の本だと思いますが、今の僕が読んでも再確認させられるとてもわかりやすい内容です。
一人の賢者の話が一章となった構成ですので、一章ごとに、皆んなで学んだ事、感じた事をディスカッションしていきます。同じ内容に対して、一人一人の感じたことを共有していきます。
すべての人間には、均等に平等にチャンスがある。でもそれに気付けるかどうか。経験を自分のものとできるかどうかで人生が大きく変わる。
そんな内容です。
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(アマゾンの回し者ではありません)
本読み研修 お菓子を仕事にできる幸福
この本は、仕事とはどのようなものなのかを教えてくれる本です。
キャラメルコーンで有名な東ハトの企業内理念ブックが絵本となったものです。
約13年前に担当させていただいていた、とても大切なお客様にご紹介いただきこの本と出会いました。
今でも家に大切に保管してあります。何かあれば、この本を使いミーティングをしたりもしています。
東ハトが、本業ではない事業で多額の負債を抱え、倒産してしまった際、企業再生で再度、本業に注力するという段階での、社員への自分達の仕事の再確認のためにつくられた絵本です。
サッカーの元日本代表中田英寿さんが関わった事でも少し有名です。
お菓子づくりを仕事にするという事はどういうことなのか?
自分達の存在意義、仕事の意味・目的に気づかせてもらえる内容です。
美容師さんにはオススメです。
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(決してアマゾンの回し者なんかじゃありません)
外掃除
イエローハットの鍵山さんの「凡事徹底」という本の中に、“良い人間は良い事に手を使う”という内容があります。
良い人間になりたければ、良い事に手を使いなさい。良い事に手を使い続けなさい。という内容です。
この話をし、
仕事とは?仕事ができる人とは?を話します。
K−artでは、仕事とは「人の役に立つ事」と伝えます。
お客様はもちろん、先輩や周りの人の役に立つ事が仕事です。
では、仕事ができる人とは?
誰にでもできることを率先して行動し、多くの人の役に立つ事。
という前置きをして、半日かけて、会社の周り、地域を掃除します。
ただ掃除をするのではなく、同じ時間の中で最大限の効果(人の役にたつ)が出る方法はどんな方法か、どんな場所か。どのような改善が必要か。
仕事とは「人の役に立つ事」という事と、言われた事をそのままやるのではなく、自分達で考え工夫すること。常に改善を重ねる事を伝えます。
また、掃除は自分の甘さや弱さが見えるものです。見て見ぬふりをする機会が山ほどあるからです。
ゴミに気付けるかどうか?ゴミに気づき、自分の手を動かせるかどうか?
汚いところほど、人は触りたくないはずです。そんなところこそ、自分の甘さとの戦いです。
掃除を終えた後、どのようなことを考え、改善を行ったのか?
どのような場面で、自分の甘さを感じ、それを克服したのか?
を皆で意見を出し合います。
研修後、こういったことは忘れがちになるので、掃除という経験を通じ感じた事を、業務で活かすように伝えます。
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(アフィリエイトなんかやったこともありません!!)
無言ゲーム
コミュニケーションのむずかしさと、人の感情、考え、状態に気づくことの重要性を伝えます。
ゲームの内容はなんでもいいと思います。ゲームのポイントは、チームで行う内容である事です。
言葉がある場合は、普通に進行できても、それをいきなり「言葉、ジェスチャーは禁止」という状態で行うと、どれだけコミュニケーションをとることが難しいかを体験するゲームです。
ケイアートの場合は、体育館でバスケットボールを行いました。
バスケットボールでは、言葉がないと思うようにパスが通らなかったり、気づかず相手チームにボールを取られたりします。
うまくチームが回らなくなります。
その経験を通じて、いかにコミュニケーションがチームワークに必要なものか。コミュニケーションには、言葉が重要かを伝えます。
ただ、コミュニケーションには、言葉が重要ですが、社会では常に言葉をもらえるとは限りません。
コミュニケーションは、自分ではない相手の事を考えることが重要です。
相手が今どのような状態なのか、考え、気づき、最適な言葉をつかう。
先に言葉を使うのではなく、まず相手の立場になって考える!
これが最も伝えたい事です。
それがお客様の場合は特に重要です。
自分よりも先に、お客様の立場に立って、お客様の状態を考え、最適な行動をするということを伝えます。
Aチーム対Bチーム ワーク
新入社員を二つのグループに分けます。まずはこのゲームの目的を伝えます。
目的は「新人全員で一つの答えを出す」という事です。
どのような質問に一つの答えを出すのか?
ケイアートの場合は、『良い休日の過ごし方はどっち?』
Aチーム ユニバーサルスタジオに遊びにいく
Bチーム 新人の一人の家で集まり、テレビゲームで遊ぶ
この年この議題にしたのは、どちらもそれが趣味な新入社員がいました。その2名をチームのリーダーにして進行しました。
リーダー以外の新入社員に、AとBどちらが良いと思うのか?他は自分で好きな方を選んでもらいます。
ここでポイントは、
AチームとBチームを対面する形で座らせること。
Aチーム対Bチームという構図を意識させるため、あえて「どっちの意見が良いか」「A対B」「どっちが勝つか?」などの言葉を使います。
各チームに分かれて、相手チームの話が聞こえない状況にし、チーム内ミーティングを行います。
そうすると、話し合いの中で、相手チームの非を探し、自チームとの差に着目する話が多く出てきます。
チーム内での話し合い後、プレゼンテーション合戦です。
相手チームのプレゼンテーションを聞き、それに対して、質問を投げる時間を作ります。
ここでのポイントは、より相手の弱点を突きそうなチームから先にプレゼンテーションさせる事です。
両チームのプレゼンテーションを元に、再度チーム内の話し合いを行います。そして最終プレゼンテーション。
多くの場合は、平行線をたどり目的不達成となります。正しい選択をしたチームが1チームでもあれば、目的が達成されます。
正しい選択とは、自分のチームの意見を主張することに着目するのではなく、相手のチームの意見の良さを考える事です。
このワークの目的とは「一つの答えを導く事」です。
2つのチームが、自分達の主張を押し通す姿勢であれば意見がまとまることはありません。
そうではなく、相手の意見を受け入れる姿勢が重要だということ。
人は、対戦の構図になり、勝ち、負けという言葉を聞くと、自然に「相手(敵)」というものをつくり、相手に勝とうとしてしまいます。
でも、社会ではほとんどの場合「相手」は敵ではないはずです。そして、敵は「意見を受け入れない」「自分の考えをまげない」自分の場合が多いはずです。
それを体感してもらい、自分以外の何かに矢印をむけるのではなく、「自らに改善の矢印を向ける姿勢」を伝えるワークです。
様々な会社で新入社員が入社し、新人研修を受けていると思います。新人研修は、社会人1年目しか体験できない、真っ白な状態での大切な時間となります。
僕はいつも、そんな新入社員の真っ白な状態に、テクニックではない、とても大切な考え方・心構えを伝えたいと思っています。
研修後の通常業務では、様々な現実的なことや、業務の壁にぶつかることも多いはずです。
壁を避けても成長にはつながらないので、どのような心でその壁に立ち向かい、ひとつひとつクリアして行ってくれるのか。
それを期待してこんな内容の新人研修を行っています。
でも、いつも思うのは、研修をするまでの準備、そして研修をすることを通じて、一番学んでいるのはいつも自分です。
教えるという事は、自らの行動を再確認する機会を与えてくれます。チャンスがあれば、他社に任せるだけではなく、幹部メンバーが自ら考え新人研修を行うことで、幹部の心構えを再確認する機会にしてみてはどうでしょうか?