【美容室の広告戦略の立て方】手順を公開します

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今日は真面目なブログを書こうという気が満々の井戸本です。19歳の時、大阪の茨木市という地域にある美容室に入社させていただき、美容業界に飛び込んでから、すでに15年。そして、K−ARTに入社し広告のお仕事をさせていただいて13年が経過しております。 この13年で様々な知識や経験を積み、得た広告ノウハウの基礎をお伝えしていきたいと思います。

広告とは、広告を出稿する側(サロン様)が、誰に何をどのように伝え、どのような状況を作りたいのか?これをきっちり決めることが最も重要です。そしてこれらをストーリーだてて戦略へ、具体的行動へと落としていきます。

広告戦略の立て方 手順

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①「どのような状況をつくりたいのか?」を決める
②「誰に?」を決める
③「何を?」を決める

①「どのような状況を作りたいのか?」を決める。

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どのような状況を作りたいのか?とは、どのような結果を求めるのかを決めるということです。広告を行う真の目的を明確にするということです。

私は打ち合わせの中で「何が目的ですか?」とお尋ねすることがしばしばあります。チラシを作りたい。DMを送りたい。ホームページを制作したい。どれも広告物をつくるという手段のお話で、それをつくる意味をお聞きします。この真の意味を私自身が理解していないと、間違ったご提案をしてしまうかもしれません。例えば、「チラシを作りたい。」というお声の真の目的は、利益を向上させたい→売上をあげたい→客数を増やしたい→新規集客がしたい、だから、→チラシを作りたい。

広告を活用することで、どのような結果・効果を目指しているのかを明確することが、広告戦略のスタートとなります。求める結果・効果を、具体的に数値化しておくことも重要なポイントです。
例えば、「お客様でお店をいっぱいにしたい!」という結果よりも、「平日営業日に新規のお客様の来店を1日あたり3名増やしたい。(月で60名の平日新規客増)などのように、具体的にすればするほど、戦略・ターゲットが変わってきます。

この段階では、できるかどうか、叶えられるかどうかを考えるのではなく、求める結果・効果をより具現化・明確化することが重要です。

 

 ②「誰に?」を決める

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広告を活用する目的・作りたい状況が具体的にきまれば、次にその目的・作りたい状況を実現するための戦略を考えていきます。ここからはこの順番でないといけないわけではないですが、私が広告戦略を考える流れとして読んでいただければと思います。誰に対して、広告を通じて情報を伝え、求める結果につなげるのか?はたして誰でもいいのでしょうか?決して誰でもいいということは無いはずです。

どんなサービスでもどんな商品でも、その商品・サービスを利用してもらうことで、価値を提供したいお客様像があるはずです。サロン様の場合でいうと、新規集客したいお客様がどんな方でも良いというケースはありません。お店がどのようなお客様にご来店いただきたいかを、明確に決めておく必要があります。

これは、広告に関わらずビジネスモデルのターゲット設定を明確にすることに近く、商品・サービスの開発や、教育計画にも関わる重要な課題です。求める結果を実現するために、誰に情報を伝えるか?誰がきまれば、具体的行動、情報伝達の手段も決まっていきます。

誰に?が主婦の場合、主婦が情報収集する方法、媒体は??朝は忙しく自由な時間が無いのに対して、いつなら時間的余裕が生まれ、情報収集するのか??情報収集の手段は?

伝えたい相手(誰?)がどのような生活を過ごし、いつどのように広告と接触するのか?たくさんの情報の中から選別する判断基準はなにか?

また、伝えたい相手(誰に?)がどのような興味・不足の状態(ニーズ)を抱えており、どのような情報に注目するのか?どのような写真、ビジュアル要素に反応し、どのようなキャッチコピーに反応するのか?

誰に?を決めるということは、ターゲットを明確に設定することであり、ターゲットを明確に設定するということは、ターゲットのニーズを理解することにあります。ターゲットの真のニーズを理解することで、商品・サービスの開発、改善、提供によって、そのターゲットの価値とすることが出来ます。

 

③「何を?」を決める

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求める結果を決め、誰に?が決まったら、次は何を?広告で伝えるのか?という段階に入ります。広告の内容というよりも、先ほどの「誰に?」を決めた際の、ターゲットが価値とすることはなにか?を読み解き、それを事前に準備することに近いです。

誰に?が決まったので、広告で伝えたい相手(ターゲット)のニーズをある程度想像できていると思います。ここで、「何を?」を考える上で重要な要素が2つあります。一つはターゲットの「ニーズ」、もう一つの重要な要素が、広告を利用する側の「強み・売り」です。

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強み・ウリがあり、それらを利用してもらうことで、伝えたい相手のニーズを解決できる。それをターゲットにそうではないかと注目してもらい、興味を持ってもらう。その後求める結果につながる行動をしてもらう。

もし広告を使って伝えたい「何を?」がどこにでもある、強み・ウリ(独自性や競合優位性)を感じないものであればどうなるでしょうか??

求める結果を出すためには、競合優位性を高めるために、最も簡単なものがディスカウント戦略です。割引をしたり、セット販売をしたり。他者との優位性が、サービス・商品では出しにくいため、価値×コストのコスト勝負となります。

もし「何を?」が世界に一つしかない、自社でしか提供できないものであれば、ディスカウント戦略ではなく、ターゲット(自社の商品・サービスでニーズを解決できる)に情報をきっちりとつたえることで求める結果につながる可能性もあります。人が商品を購入したり、サービスを受けることにお金を使うという行動には、必ずニーズが存在します。&美容院でヘアカラーをする。という購買行動の裏には、

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若々しくいたい

おしゃれになりたい、かわいくなりたい、きれいになりたい、イメージチェンジをしたい

自分のメンテナンスがしたい、ご褒美タイム

などのニーズがあるかもしれません。これらのニーズを解決する手段が、はたしてヘアカラーというサービスだけでしょうか?

そうです。実は違います。

若々しくいたいというニーズを解決できるのは、ヘアカラーというサービスだけではなく、化粧品、エステ、健康食品、食事、ダイエット、運動などの様々な事業商品で解決ができます。

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自社のウリ・強みを生かし、ターゲットのニーズに対しての価値を構築する際には、同じ事業モデルだけを競合とせず、様々な業種サービス・商品を競合として考えることが大切です。

それらを考えると、それぞれの企業が、誰に?何を?伝えようとしているのかが見えてきます。エステ・脱毛業界が、なぜ100円で脱毛ができるのか?ターゲットがどのような人なのか?どのようなニーズを解決できると感じさせているのか?広告に使っているタレントなどはそれらが顕著に表れています。広告をつくるということを追及すると、ビジネス全体の構造基礎をつくることにつながっていると思います。

また、逆に広告を見ると、そのビジネスのどの位置付けとしてこのような広告が作られているのかを読み解くことができます。一度そんな目線で広告に触れていただければ幸いです。


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