ケイアートファクトリーの秘密の小道具から語る紙のお話

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ご無沙汰しております、ケイアート工務課松場です。今日は、私の普段の業務で使用している秘密の小道具を紹介したいと思います。
私はケイアートファクトリーで受注した商品を外注業者さんと協力しながら制作し、お客様のもとに届ける仕事を主に担当しています。

主に紙の印刷物を扱うのですがその中で活躍する小道具

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その名もダイアルゲージ!
この道具をどんな時に、どうやって使うかというと・・・

ある時、新進気鋭のケイアートデザイナー、又は猪突猛進営業マンが
「この印刷物と同じ紙を使って、お客様の名刺を作りたいのです!」などと言いながら素敵な紙で印刷されたサンプルをぽんと渡されて見積依頼を受けることがあるのです。

そんな時はまず、その紙がどこのブランドの何という紙であるかを調べることから始めなければなりません。まずは、社内にストックされている無数の用紙見本帳の中から、紙の色・柄・風合いといった特徴をもとに長年の経験と勘をフル動員し、これ!というものを見つけ出します・・・・

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白い紙だけでもこんなにいっぱい・・・・

お目当てのブランドの紙のサンプルを見つけ出したら、次の課題です。市販されている印刷用紙は同じ紙でも厚み・大きさなど数種類ずつラインナップされているのがお約束です。その中から渡されたサンプルと同じ厚さの紙を特定しなければなりません。

ここで先ほどのダイアルゲージの出番です。

おもむろに机からブツをとりだし・・・まずは現物サンプルにそっとあてがい、ギュッとレバーを押しこんで・・・・

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ゲージが指し示す数字を確認します。次に、チョイスした見本帳の紙にあてがい・・・

またもレバーをギュッと・・・

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さっきと同じ数字を指し示したことを確認して用紙の特定が完了しました!

さて、こうして特定することのできた用紙の見本帳を見てみると

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Mr.A? 四六判Y目180kg?なんだかよくわからない文字が印刷されています。Mr.Aとはこの紙のブランド名です、マットな質感と温かみのある風合いがステキな紙です。ケイアートではハガキや名刺に、大活躍している紙です。

四六判とはこの紙がストックされている時の大きさを表しています。

よく耳にしたり目にするA4サイズやB4サイズとはちょっと違って、この紙を使って印刷業者さんが印刷するために適した大きさで、1091×788mmの大きさの紙を四六判(しろくばん)という呼び名で規定されているのです。ちなみにそのお隣に記載されているのは菊判(きくばん)と呼ばれる939×636mmの大きさを表す単位です。

Y目?これも印刷物を作るときにとても重要なことを表しているのですが、紙には繊維のそろう方向によって「紙の目」と呼ばれる方向性があります。
身近にあるチラシやハガキ、何でも手に取って軽く折り曲げてみると。何となく折れやすい方向と少し抵抗を感じる方向があるはずです。

この「紙の目」がかなり重要で、例えばリーフレット等を二つ・三つと折りたたんだ状態に仕上げたいとき、「紙の目」を折り目に平行に沿わせることが鉄則となります。

「紙の目」を折り目と直角にした場合、折りのズレや背割れ(紙の繊維が断ち切られてひび割れたようになる)などのトラブルにつながります。長々と書いてきましたが、これって印刷物を作る上でまだまだ入口の部分で、他にもいろいろな要素があり、「たかが印刷物、されど印刷物」の感を改めて想う毎日です。


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